- くせ
- I
くせ【救世】〔「くぜ」「ぐせ」「ぐぜ」とも〕〔仏〕(1)衆生(シユジヨウ)を苦悩から救うこと。(2)仏・菩薩の通称。(3)観世音菩薩のこと。IIくせ【曲】〔「癖(クセ)」と同源〕(1)(普通「クセ」と書く)能で, 一曲の中心的な部分。 先行芸能である曲舞(クセマイ)をとりいれ, 一曲の舞いどころ, 聞かせどころとしたもの。→ 舞曲→ 居曲(2)名詞の上に付いて, 正しくないこと, まっとうでない意を表す。III
「~者」「~事」
くせ【曲瀬】川の浅瀬の石の多い所。IV「玉~の清き川原にみそぎして/万葉2403」
くせ【癖】〔「曲(クセ)」と同源〕(1)ある人が無意識的にしばしば行うちょっとした動作。「話しながらあごをなでる~がある」「~が悪い」
(2)普通とは異なった特徴。「~のある字」「~のある髪の毛」
(3)やわらかい物に残った曲げあと。「襟に変な~がつく」
(4)(「そのくせ」の形で逆接句を導いて)そうでありながら。 普通, 人の属性についていう場合に用いられる。「彼は寒がりだ。 その~, コートは着たがらない」
(5)きまり。 習慣。「はかなきことも雲鳥のあやにかなはぬ~なれば/千載(雑下)」
(6)欠点。「一字二字あまりたれどもうちよむに例にたがはねば~とせず/新撰髄脳」
→ 癖して→ 癖に~ある馬に能(ノウ)あり一癖ある者は必ず何か特別の能力をもっている。 すぐれた人には, どこか凡人と異なるところがある。~にな・る習慣になる。 特に, よくない習慣になる。「甘やかすと~・る」
~をつ・ける(1)何度も繰り返したり, あるいは甘やかしたりした結果, ある決まった行動様式や習慣を身につけさせる。「夜更かしの~・ける」
(2)ちょっとした欠点をあれこれ言う。 なんくせをつける。「さしもあるまじきことに, かどかどしく~・け/源氏(若菜上)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.